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大家族ママFPのお役立ちコラム 児童手当の所得制限、ぎりぎりもらえなかった…!をなくすには?

●児童手当とは?
●児童手当の所得制限って何?
●所得制限ぎりぎりの人ができる対策は!?
●児童手当における所得額の計算式
●控除を漏れなく申請しましょう
●iDeCoに加入してみては?
●ふるさと納税や住宅ローン控除は対象外!

今月から児童手当にさらなる所得制限が始まりました。年収がおよそ1,200万円以上の世帯への特例給付が廃止され、児童手当の支給がなくなりました。所得制限にぎりぎり引っかかり、児童手当を受けることができない!という人もいるかもしれません。今回は児童手当をぎりぎりもらえない人がとれる対応策をご説明致します。

児童手当とは?

 児童手当とは0歳から15歳(中学校終了時)までの児童を養育する世帯を経済的に支援する制度です。外国人を含め、国内に住所を有する児童を対象としています。

【児童手当の金額(一人あたり月額)】

  • 0~3歳未満 一律1万5,000円
  • 3歳~小学校修了まで 第1子・第2子:1万円、第3子以降:1万5,000円
  • 中学生 一律1万円
  • 特例給付 一律5,000円

 2月、6月、10月に前月までの4カ月分がまとめて支給されます。

児童手当の所得制限って何?

 今まで所得が制限限度額以上の場合、特例給付として子どもの年齢にかかわらず 一律5,000円が支給されていました。10月からこの特例給付にまで所得上限限度額が設けられ、上限限度額以上の場合は児童手当を全く受けることができなくなりました

  1. 所得制限限度額以上所得上限限度額未満の場合…特例給付 一律5,000円
  2. 所得上限限度額以上の場合…支給なし

ということになります。

【限度額の目安】

所得制限ぎりぎりの人ができる対策は!?

 中には所得制限ぎりぎりで特例給付になってしまったり、特例給付も受けられなくなってしまったりというご家庭もあるかもしれません。

 児童手当が支給されるかどうかの判定は1月から5月までの支給分は前々年度の所得、6月から12月までは前年の所得によって決まります。また、扶養親族等の人数は前年の12月31日における人数で決まります。

 今年給付が受けられなかった場合には、今年中に対策をとることで来年の給付の判定に影響します。

児童手当における所得額の計算式

 児童手当における所得額の計算は「所得=年間収入-給与所得控除(または必要経費)-各種控除」です。

 所得が児童手当の所得制限限度額ぎりぎりな人は、控除を増やすことで、所得を引き下げることができます。

【控除一覧】

種別 控除額
社会保険料相当額 一律8万円
勤労学生 各1人につき27万円
障害者 各1人につき27万円
特別障害者 各1人につき40万円
寡婦 27万円
ひとり親 35万円
給与所得者、公的年金等所得者 10万円
雑損、医療費 控除額
配偶者特別控除 なし
小規模企業共済掛金 掛金相当額
分離課税に係る長期譲渡所得及び短期譲渡所得の特別控除
(平成29年以降の所得に係る資格審査について適用)
控除額
目黒区HPより(子どものための諸手当 各種手当別控除一覧(令和3年度以降) 目黒区

控除を漏れなく申請しましょう

 まずは、控除を漏れなく申請することが第一です。医療費控除などを面倒くさがって申請していなかったということはありませんか? 家族の医療費をまとめて控除対象とすることができますので必ず申請するようにしましょう。

iDeCoに加入してみては?

 ほとんどの控除は該当させるためにわざわざ利用するという類のものではありませんが(例えば医療費控除を増やすためにわざわざ病院に行くということはないですよね)、小規模企業共済掛金控除は制度をいままで利用していなかった方がこれから自主的に利用することで、控除に該当させることができます。

 小規模企業共済掛金控除はiDeCo (イデコ:個人型確定拠出年金)や、企業型確定拠出年金への拠出金が控除の対象となります。

 児童手当の所得制限ぎりぎりの人は、iDeCoに加入したり、企業型確定拠出年金へのマッチング拠出をすることで、児童手当の所得制限にひっかからないようにできるかもしれません。児童手当の所得制限の判定への影響だけでなく、将来の資産形成や節税にもなります。

 ただし、iDeCo加入の手続きには2カ月ほどかかります。年末ぎりぎりに加入したいと思っても間に合わないので今のうちに手続きを開始しておくことをおすすめします。

ふるさと納税や住宅ローン控除は対象外!

 控除といえばふるさと納税や住宅ローン控除を利用すれば所得を減らせるんじゃない!?と思うかもしれません。残念なことにこの二つの控除は児童手当における控除には該当せず、ふるさと納税をしたからといって控除することはできません。

 控除をしっかり申請したかによって同じ収入でも所得制限に該当する人としない人に分かれます。年末に慌てることがないよう、所得制限が心配な人は早めに確認しておきましょう。

 控除の申請は児童手当だけでなく、税金や今後児童手当が終わり、高校生になってからの高等学校等就学支援金を受給する際にもかかわってきます。今のうちにしっかりと対策をしておきましょう。

 また、今回10月で児童手当などが支給されなくなったあとに所得制限以下になった場合には、改めて認定請求書の提出などが必要となりますので申請を忘れないようにしてくださいね。

※本コラムは楽天証券<お金と投資をもっと身近に>投資情報メディア「トウシル」にて執筆したコラムを転載しております。

暮らしのお金についての「困った!」を解決します。

■ この記事を書いた人 ■

橋本 絵美

橋本 絵美はしもと えみ

  • 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 二種証券外務員
  • お片づけプランナー
プロフィール
福岡県出身。慶應義塾大学商学部卒。2男4女を育てるママFP。子供=お金がかかるという考え方ではなく、子供は宝であり、ママたちが安心してもう一人子供を産めるようにサポートしたいという思いからFPとなる。お金とモノとの付き合い方を考え、お片づけプランナーとしても活動中。ご相談を受ける中で蓄えてきた知恵と自身の経験を生かし、“貯まる家計の仕組みづくり”と“子どもがいてもすっきり片付く部屋づくり”のアドバイスを行っている。明日から使える節約コラムやママ向けセミナーも好評連載中!
ひとことメッセージ
子ども10人の幸せ大家族を目指すママFPです。今年11年ぶりの男の子を出産しました!あまりのかわいさに家族みんなメロメロです。私自身、子どもが多くても希望の進路に進ませてあげたい!と自身の家計管理と資産運用も日々研究と改善を重ねています。そんな経験をもとにした相談、コラム、セミナーは大変好評いただいております☆(目からうろこの家計術だそうです。笑)もう一人子どもが欲しい!子どもの将来のためにお金を貯めたい!と思ったら一度相談してみてください。皆さんが希望の未来を描けるようにサポートさせていただきます!